退職金を受け取れる条件
韓国の退職金は、勤労者退職給付保障法に基づき会社が退職する労働者に支払わなければならないお金です。受け取れる条件は二つです。同じ事業場で1年以上継続して働いたこと、そして4週間を平均して週の所定労働時間が15時間以上であることです。正社員だけでなく契約社員、アルバイト、日雇いでも、この条件を満たせば受け取れ、現在は事業場の規模に関係なく適用されます。契約書の名目がフリーランスや委託でも、実際に会社の指揮・監督を受けて働いていれば労働者と認められ、退職金を受け取れる場合があります。反対に1年に1日でも足りなければ原則として退職金はないので、退職日を決めるときは在職期間を正確に数えることが重要です。在職期間は入社日から最終勤務日までで数え、退職日は最終勤務日の翌日とみなします。1年になる日まで勤務したかが基準になります。
退職金の計算式
法が定める退職金は、継続勤務期間1年につき30日分以上の平均賃金です。式にすると、1日平均賃金 × 30日 × 在職日数 ÷ 365となります。在職日数は入社日から退職日の前日までの暦日数なので、1年未満の端数の期間も日数に比例して反映されます。たとえば3年6か月働いたなら、3年分だけでなく6か月分も日数どおりに加算されます。この式は法が定める最低基準なので、会社の規定や労働協約がより有利に定めていればその基準に従います。結局、退職金を左右するのは1日平均賃金と在職日数の二つで、そのうち平均賃金をどう求めるかで多くの差が生じます。休職期間や試用期間を在職日数に入れるかもよく聞かれる点ですが、試用期間は継続勤務期間に含まれ、休職期間は休職の事由と法の規定によって異なるので別に確認が必要です。
平均賃金の求め方:賞与と年休手当
平均賃金は、退職日以前3か月間に受け取った賃金総額を、その3か月の総日数で割った金額です。総日数は勤務日ではなく暦日数なので、89日から92日の間になります。賃金総額には基本給だけでなく、延長・夜間・休日労働手当、定期的に支払われる各種手当など、労働の対価として受け取ったお金がすべて入ります。賞与は3か月内に受け取ったかどうかに関係なく、退職前12か月間に受け取った賞与総額の3/12を加える方式が一般的です。年休手当も同様に、退職前1年間に受け取った年次休暇未使用手当の3/12を加えます。ただし退職によって初めて生じる未使用年休手当は平均賃金に入れないというのが雇用労働部の解釈です。一方、実費弁償の性格の出張費や慶弔金のように労働の対価でないお金は除かれます。育児休職や業務上の負傷で休んだ期間など、法が定める期間は3か月の計算から除外します。
- 基本:退職前3か月の賃金総額 ÷ 3か月の暦日数
- 賞与:退職前12か月の支給額 × 3/12を加算
- 年休手当:退職前1年の支給分 × 3/12を加算(退職で生じた手当は除く)
- 法定の除外期間(育児休職など)は計算期間から外す
通常賃金と比べる
平均賃金は直近3か月の事情によって低くなることがあります。退職直前に無給の欠勤が多かったり、手当が減ったりした場合です。そこで法は、こうして求めた平均賃金がその労働者の通常賃金より少なければ、通常賃金を平均賃金として使うと定めています。通常賃金は所定労働に対して定期的・一律に支払うと決めた賃金で、基本給や固定手当などが該当します。1日通常賃金は通常、時間当たり通常賃金に1日の所定労働時間をかけて求めます。何が通常賃金に入るかは判例と解釈が変わり続けてきた分野なので、手当の構成が複雑なら一人で判断するのは難しいでしょう。実務では平均賃金と通常賃金をそれぞれ求め、大きい方を使う方式で確認します。雇用労働部の退職金計算機は二つの値を一緒に入れて比べられるようになっているので、給与明細を横に置いて自分で入れてみるのが最も正確です。
例で計算してみる
以下は仕組みを示すための仮定です。週40時間勤務(月の所定労働時間209時間)で、月の基本給300万ウォンと毎月の延長勤労手当60万ウォン、年間賞与360万ウォンを受け取った労働者が、ちょうど3年(1,095日)働いて退職したとします。退職前3か月は92日、年休手当はないと仮定します。3か月の賃金1,080万ウォンに賞与の反映分90万ウォン(360万ウォン × 3/12)を足した1,170万ウォンを92日で割ると、1日平均賃金は約12万7,174ウォンです。基本給だけが通常賃金だとすると、1日通常賃金は300万ウォン ÷ 209時間 × 8時間 = 約11万4,833ウォンなので、平均賃金の方が大きく、平均賃金を使います。退職金は約12万7,174ウォン × 30日 × 1,095日 ÷ 365日 = 約1,144万6千ウォンです。賞与を抜かすと1日平均賃金は約11万7,391ウォン、退職金は約1,056万5千ウォンとなり、90万ウォン近く少なくなります。実際には税金を引いた額を受け取るので、計算機と会社の精算書で確認してください。
支給期限、退職年金、中間精算
会社は退職日から14日以内に退職金を支払わなければならず、特別な事情があれば当事者の合意で期限を延ばせます。会社が退職年金に加入していれば受け取り方が変わります。確定給付型(DB)や確定拠出型(DC)の加入者は、退職給付を原則として本人名義の個人型退職年金(IRP)口座に移転して受け取るので、退職前にIRP口座を開いて会社に知らせる必要があります。一定の年齢以降の退職や少額など法が定める例外に当たれば、一般口座で受け取れます。在職中に前もって受け取る中間精算は、法が定める事由があるときだけ可能です。無住宅者の本人名義の住宅購入、無住宅者のチョンセ金・保証金の負担、本人や家族の長期療養、最近の破産宣告や個人再生、賃金ピーク制の適用などが該当します。中間精算を受けるとその時点から勤続期間を数え直すので、後の退職金が減る点は知っておきましょう。
- 支給期限:退職後14日以内、合意で延長可能
- 退職年金加入時:原則としてIRP口座へ移転
- 中間精算:無住宅者の住宅購入・チョンセ金、長期療養、破産・再生など法定事由のみ
- 中間精算後は勤続期間を新たに数える
よくある誤解と退職所得税
退職金には退職所得税がかかりますが、勤労所得とは別に計算され、税負担が比較的軽くなるよう設計されています。勤続年数に応じて控除し、金額を年単位に換算して税率を適用した後、再び勤続年数分に戻して計算する方式なので、長く働くほど税負担が下がる仕組みです。退職金をIRPで受け取って年金として分けて受け取れば、退職所得税をすぐには払わずに繰り延べ、年金として受け取るときに本来の税金より軽い率で払うことになります。計算が複雑なので、金額は会社の源泉徴収票と国税庁の案内で確認します。退職金をめぐる誤解も多くあります。月給に退職金を含めて払うという契約は原則として認められず、1年が過ぎれば金額が自動的に確定すると思われがちですが、平均賃金の計算によって金額は変わります。
- 「月給に退職金が含まれている」— 退職金の分割払いの約定は原則無効
- 「アルバイトに退職金はない」— 1年以上・週15時間以上なら受け取れる
- 「退職金は基本給だけで計算する」— 手当・賞与・年休手当も反映される
- 「退職金の税金は給与と同じ」— 退職所得税として別に、比較的軽く計算される
退職前の確認順序
退職金の精算が食い違うことの多くは、基礎資料を確認しないことから生じます。まず入社日と最終勤務日を確定し、在職日数と1年を満たすかどうかを数えます。次に直近3か月の給与明細と直近1年の賞与・年休手当の支給履歴を集め、平均賃金を自分で計算します。会社が退職年金に加入しているか、加入していればDBかDCかを確認し、IRP口座が必要なら前もって開きます。退職後は会社がくれる退職金精算書と源泉徴収票を受け取り、自分の計算と比べます。差があれば、どの項目で生じたのかを会社に問い合わせ、回答を記録しておきます。年次休暇が残っているなら、未使用年休手当の精算もあわせて確認してください。
- 入社日・最終勤務日から在職日数と1年の充足を確認
- 直近3か月の給与明細、1年分の賞与・年休手当の履歴を集める
- 退職年金の加入有無と型を確認し、必要ならIRPを開設
- 精算書・源泉徴収票を受け取り自分の計算と比べる
- 未使用年休手当の精算を確認
よくある状況1:14日を過ぎても退職金が払われないとき
期限が過ぎても退職金が振り込まれなければ、まず会社に支払予定日と金額を書面やメッセージで求め、記録を残します。延長の合意をしていないのに支払われなければ、事業場を管轄する地方雇用労働官署に陳情を申し立てられます。雇用労働部のサイトからオンラインで申請でき、勤労監督官が事実関係を調べて支払いを指導します。退職金を期限内に払わなければ法が定める遅延利息がつき、会社には刑事罰の規定もあります。会社が倒産して支払能力がなければ、国が一部を代わりに支払う代支給金制度を利用できます。退職金の請求権は3年が過ぎると消滅時効が完成するので、先延ばしにしないことが大切です。法律の支援が必要なら、大韓法律救助公団や労働相談の窓口を利用できます。
よくある状況2:1年の直前に辞めることになったとき
入社1年を数日後に控えて退職を勧められたり、契約が終わったりすることがあります。継続勤務期間が1年に1日でも足りなければ法律上の退職金は生じないので、まず在職期間を正確に数えることです。1年契約の契約社員が契約期間をすべて満たしたなら、1年勤務と認められるのが一般的です。また短い契約を何度も更新したり、契約の間に短い空白があったりしても、実質的に同じ仕事を続けてきたなら継続勤務と認められることがあります。反対に、会社が退職金を避けるために1年直前に契約を終えることが繰り返されるなら、労働官署に相談してみる価値があります。自分の事情で辞める場合なら、退職日を調整して1年を満たせるか会社と前もって相談するのも一つの方法です。失業給付の受給要件は退職金とは別なので、別途確認してください。
限界と注意
この記事は韓国の勤労者退職給付保障法と勤労基準法に基づく退職金計算の一般的な仕組みを、2026年10月時点で説明したものです。平均賃金と通常賃金にどの項目が入るか、休職期間をどう扱うか、退職所得税の計算方式とIRP移転の例外は、法改正や判例、行政解釈によって変わることがあります。本文の計算例は仕組みを示すための仮定であり、実際の支給額ではありません。正確な金額は会社の精算書と雇用労働部の退職金計算機、雇用労働部の相談センター、国税庁の案内で確認してください。会社と金額や支払いをめぐって争いがあれば、地方雇用労働官署や大韓法律救助公団、公認労務士の助けを受けるのが安全です。この記事は法律相談や税務相談ではありません。
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